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描かないことで描く。イギリスの偉大な画家、ウィリアム・ターナー

今回はイギリスの画家、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(Joseph Mallord William Turner)についてのお話です。一見、未完成のように見えるぼんやりとした絵。でもそれが観る者の想像力を掻き立てる。そんな不思議な魅力に包まれた絵を描いた画家がターナーです。

ターナーは、生前にほとんど評価されなかったゴッホやアンリ・ルソーと違い、若くして画家として高い評価と名声を得ております。そればかりかターナーはイギリスを代表する国立美術学校「ロイヤル・アカデミー」の副学長にまで就任しています。

現在でもターナーの名を冠した「ターナー賞」という現代美術でも最高の栄誉の一つとされている賞が存在します。現代美術と言えば絵画にとどまらず、空間や立体物、最新の技術やありとあらゆる表現を含めた幅広いジャンルの美術です。なぜ100年以上も前の画家であるターナーが現代美術の賞の名前となっているのでしょうか。

それは、他でもないターナー自身が時代を超えた最先端の芸術家だったからです。

平和 - 水葬(ターナー)

印象派の登場よりも早く、絵画の可能性を示したターナー

モネやセザンヌに代表される印象派が出現する1870年代よりも数十年も前にターナーの絵画は輪郭を失っていました。つまり、何が表現されているかはっきりとしないぼんやりとした絵を描いていたのです。ぼんやりした絵といえば印象派を思い浮かべる人が多いと思いますが、ターナーは印象派が出現するはるか以前にすでにそれを表現していたのです。

ちなみにターナーの絵画はすべてがすべて、ぼんやりした絵ではありません。むしろ詳細で伝統的な絵画がほとんどです。実際、初期や中期の作品をみますと、細部の細部まで丹念に描かれており、人間離れした描画の技術に圧倒されてしまう程なのです。ターナーは晩年になって画風を大きく変え、ぼんやりした絵を描くようになっていきました。

日傘をさす婦人(モネ)

描かないことで描いた絵

輪郭をはっきり描かないことで、観る者が自由にイメージを膨らませる絵を描く。晩年に行き着いた新しい画風は、一部では大きな批判を呼びながらも画期的な表現方法であったことは間違いありませんでした。

早くから認められたターナーはその生涯を知るための記録は十分にあるのですが、その画風に至った経緯は画風と同様にはっきりしていないそうです。(諸説あります。)

伝統的な絵画であってもそのシチュエーションや描かれたストーリーをはっきりと指し示さない絵画(寓意画)は数多く存在していましたが、形や色まで曖昧にして鑑賞者に解釈を委ねるような絵はそれまでにありませんでした。それが100年以上も前に作られていたというのは驚くべきことです。これが現代の絵画であったとしても違和感はなく、その表現は時代が変わっても色あせていません。ターナーの絵は今もなお、美しさとは何か、私達に問いかけてくるような気がします。

国会議事堂の炎上、1834年10月16日(ターナー)

京都文化博物館内、「便利堂」でトキトマデザインのスマホケース販売開始

さて、2018年2月17日から4月15日までそんなターナーの展覧会が京都文化博物館で開催されております。

展覧会情報はこちら「ターナー 風景の詩」

今回、京都文化博物館内のミュージアムショップ「便利堂」でその期間中にトキトマデザインのスマホケース(ターナーの絵画4点)を販売しております。

もしよろしければお手にとってご覧ください。

※最初の画像:雨、蒸気、スピード(ターナー)

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トキトマデザインの代表です。デザイナー兼 WEBサイト運営 兼 バイヤー。現代美術とデザインと釜玉うどんが好き
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