
沈む夕日が美しい。このことに異論がある人はおそらくいないですよね。
しかし、その夕日自体をアートにしてしまう人がいるのです。それは夕日の絵を描くわけでも、写真を撮るわけでもありません。
文字通り「夕日を作る」のです。
デンマーク生まれのアイスランドの現代美術家 オラファー・エリアソンは壮大な自然現象を再現するアートを制作しました。もともとは火力発電所だった建物を改装した美術館、イギリスのテートモダンで2003年に開催された展覧会では美術館の中に夕日を再現しました。
こちらは屋外で夕日を再現しています。1999年にオランダ、ユトレヒトで制作されました。本物の夕日と作られた夕日の2つの夕日が作品です。Double sunset (二つの夕日)
近くでみた作品の設置風景。とても大きいです。
こちらは動画ですが、これは室内で細かい水滴を滝のように散布させて虹を発生させる作品です。
オラファー・エリアソンの作品は、美しく綺麗な作品ですので、一体何が面白いんだろうと思う人はあまりいないのではないでしょうか。
それにしても、アートの作品で自然現象そのものを再現するというのはよくよく考えると不思議です。夕日にしても虹にしてもすでに自然に存在しているのにわざわざ作るのですから。
しかし、その「わざわざ作る」ことに面白さがあります。私達は当たり前のこととして、ともすれば見慣れてしまった自然の現象が、いかに素晴らしく美しいか、改めて認識させてくれるからです。
視点を変えることで新しい発見があるということに、オラファー・エリアソンの作品を通じて気づくことがあるのではないでしょうか。日常の生活を豊かにする非日常の体験。そんな不思議で魅力的な作品のご紹介でした。
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トキトマデザイン
トキトマデザインの代表です。デザイナー兼 WEBサイト運営 兼 バイヤー。現代美術とデザインと釜玉うどんが好き

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