住空間を「作品」に。部屋作りを劇的に変えるアート思考術

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アート思考で住空間を「作品」に変える

眠りから覚め、食事をして、くつろぐ場所――そんな見慣れたあなたの部屋を、世界にたったひとつの「アート作品」へと変貌させるアプローチがあります。

その鍵となるのが、近年さまざまな分野で注目を集める「アート思考」です。特別な技術や高価なインテリアを買い揃える必要はありません。ほんの少し視点を変えるだけで、いつもの住空間が自分だけの胸躍る美術館へと生まれ変わります。

アート思考ってどんな考え方?

アート思考とは、アーティストが作品を生み出すときのように「自分自身の内側にあるワクワクや違和感」を手がかりにして物事を捉える考え方です(※注1)。ビジネスの現場や教育シーンにおいても、これまでにないアイデアを創出するための重要なヒントとして高く評価されています。

これを部屋作りに当てはめるなら、「カタログに載っている見本をそのまま再現する」のではなく、「自分が心から惹かれるもの、面白いと感じるものを主役に据える」ということになります。

誰かが作った「正解」に無理に合わせる必要はありません。自分自身の心が動く瞬間を出発点にすることこそが、アート思考による空間づくりの第一歩です。

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自分の「好き」からお部屋のテーマを見つける

美術館の特別展が明確なコンセプトを持つように、あなたの部屋をひとつの作品に仕立てるためにも、まずは自分だけの「テーマ」を掲げてみましょう。

昨今のインテリアデザインにおいても、決まった様式に縛られることなく、住まい手の個性を豊かに表現することが大きな潮流となっています。

テーマの設定にルールはありません。「深海を探検する部屋」「大好きな漫画に没頭するための秘密基地」「森の奥に佇む小さなカフェ」など、自由に発想を広げてみてください。心がもっとも弾むテーマを決めることで、部屋という大きなキャンバスに描くべき輪郭が鮮明になっていきます。

日常のアイテムを展示品に変える工夫

テーマが決まったら、空間を彩るアイテムを選んでいきましょう。ここで高価な美術品や彫刻を用意する必要はありません。

道端で見つけたユニークな形の小石、お菓子の美しいパッケージ、幼い頃から大切にしてきたおもちゃ――そうした身近なアイテムも、見せ方ひとつで立派なアートピースへと昇華します。

ポイントは「特別感」を演出することです。お気に入りの小物を直接置く代わりに上質な布を敷いてみたり、四角いトレイを額縁に見立ててその中に並べてみたりするだけでも、ありふれた雑貨が凛とした「展示品」の表情を帯びてきます。

さらに、小さなスポットライトで照らして陰影を際立たせれば、まるで本物のギャラリーのような空間が立ち現れます。

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なにもない「余白」も立派な作品の一部

お気に入りのものを集めていると、つい空間を埋め尽くしたくなりますが、ここで意識したいのが「あえて置かない」工夫です。

デザインの領域では、何も配置されていない空間を「ネガティブ・スペース」と呼びます。日本画家の千住博氏が著書で触れているように、日本の伝統文化においても「余白の美」として古くから重んじられてきた概念です。

壁に飾る絵をあえて一枚だけに絞り、周囲をすっきりと開けておく。あるいは飾り棚の一段に、とっておきのマグカップをひとつだけ置く。このように計算された「余白」を設けることで、主役となるアイテムの魅力が際立ちます。何もない空間そのものもまた、作品を構成する不可欠な要素なのです。

明日からの暮らしがもっと面白くなる

アート思考を取り入れた空間づくりに、終わりの合図はありません。巡る季節や、新しく出会った興味・関心に合わせて、部屋という作品も少しずつ姿を変えていきます。

自分の「好き」を信じ、身の回りのものを工夫して飾り、美しい余白を味わう。そんなクリエイティブな視点を持つことで、いつもの住まいは日々新鮮な感動を届けてくれる場所になります。

あなた自身がアーティストであり、同時にギャラリーの館長となって、世界に一つだけの特別な空間を育てていきましょう。

補足事項

  • ※注1: ビジネスやイノベーションの領域では、エイミー・ウィテカー氏や若宮和男氏のように『既成概念や常識を打破し、ゼロから新しい価値(B点)を発明する思考法』として定義されることもあります。

主な参考資料

  • 末永幸歩『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』
  • 千住博『絵を描く悦び』(光文社新書)
  • エイミー・ウィテカー『アート思考 ビジネスと芸術が交差する「正解のない時代」の切り拓き方』
  • 若宮和男『ハウ・トゥ・アート・シンキング 閉塞感を打ち破る自分起点の思考法』

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