知られざるお金の起源!人類最古の貨幣とは何だったのか

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財布を開けば見つかる硬貨や紙幣、あるいはスマートフォンの画面に並ぶデジタルな数字。私たちは日々、ごく当たり前にお金を使って買い物をしていますが、人類の歴史を振り返れば、最初からお金という存在があったわけではありません。

一体いつ、どのようにして「お金」という発明は生まれたのでしょうか。まるでタイムマシンに乗るような気分で、人類最古のお金を探すエキサイティングな旅へと出かけてみましょう。

お金が生まれる前の世界

お金が存在しない時代といえば、一般的には「物々交換」が思い浮かぶかもしれません。しかし、近年の歴史研究によって、当時の人々が単なる交換を繰り返していたわけではないという驚きの事実が明らかになっています。実は、当時の暮らしを支えていたのは、近所同士の「ツケ(貸し借り)」による密接な関係だったのです(※注1)

同じ村に住む者同士であれば、「今日は魚をあげるから、今度野菜が採れたときに分けてね」といった具合に、お互いの信頼関係に基づいて貸し借りを記録しておくやり取りが中心でした。

ところが、遠くの村の知らない相手と取引をするとなれば、信頼関係だけでは不十分です。そこで、誰もが「これには価値がある」と認める共通のアイテムが必要になりました。それこそが、お金の歴史の始まりです。

自然界から見つけた最初のお金

人類が最初に「お金」として目をつけたのは、自然界に存在する希少な品々でした。塩や布、家畜などが代わりを務めることもありましたが、世界中で特に人気を博したのが「貝殻」です。

中国やアフリカといった広範な地域で、海から採れる美しく丈夫な「タカラガイ」がお金として流通しました。軽くて持ち運びやすく、簡単には壊れないという性質は、お金としての条件に完璧に合致していたのです。

その確かな証拠は、私たちが普段使っている漢字の中に今も息づいています。「財産」「財」「買う」「貯金」「貯」など、お金にまつわる漢字の多くに「貝」という文字が含まれていることに気づくでしょう。これは、大昔に貝殻がお金として使われていた歴史が刻んだ、文明の名残なのです。

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人類が作った最古のコイン

貝殻などの自然物は重宝されましたが、地域や時代とともにその形は多様に進化していきました。やがて人類は、より保存しやすく携帯に便利な金属を使い、人工的にお金を作り出すようになります。

現在発見されている中で「世界最古の硬貨」とされているのが、紀元前7世紀頃に誕生した「エレクトロン貨」です。これは、現在のトルコにあたる場所に位置したリュディア王国で鋳造されました。

エレクトロン貨は、川で採れる金と銀が混ざり合った「琥珀金(こはくきん)」という天然の合金から作られています。硬貨の表面には、力強いライオンのほか、雄鹿や雄羊といった動物のマークが刻印されていました。

こうした刻印は、その金属が一定の重さと価値を持っていることを公に保証する役割を果たしました。誰が見ても一目で価値が判別できるこの画期的な仕組みこそ、現代の私たちが手にしている硬貨へと繋がる歴史的な一歩だったといえます。

軽くて便利な紙のお金はどこで生まれたか

金属の硬貨が普及し、経済は世界中で大きく発展していきました。しかし、取引の規模が大きくなるにつれて、新たな悩みが生まれます。高額な買い物のたびに大量の硬貨を持ち運ぶのは、あまりにも重すぎたのです。

この問題を鮮やかに解決したのが、10世紀頃の中国(北宋)の人々でした。当時の四川地方では鉄の硬貨が流通していましたが、鉄は重いうえに価値が低かったため、少し高価なものを買うだけでも馬車を出さなければ運べないほどの量になっていたのです。

そこで商人たちは、重い鉄銭を店に預け、その代わりに「確かに硬貨を預かっています」という証明書として、紙の預り証を受け取る仕組みを考案しました。この「交子(こうし)」と呼ばれる預り証が、やがて人々の中で直接支払いに使われるようになります。これが、世界最古の紙幣の起源の一つとされる、歴史的な転換点です。

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形を変え続けるお金の未来

タカラガイという自然の貝殻から始まり、動物のマークが刻まれた金属のコイン、そして重さを克服した紙のお札へ。お金は膨大な時間をかけて、より便利に、より効率的に進化を遂げてきました。

現代では、スマートフォンの画面に表示されるデータ(電子マネー)として、お金はついに目に見えない存在へと姿を変えつつあります。しかし、貝殻であってもデジタルデータであっても、お金の本質は変わりません。それは「これには価値がある」と誰もが信じているという、究極の「信用」です。

最古のお金を作った古代の人々も、スマートフォンで決済を行う私たちも、目に見えない信用をやり取りしているという点では同じ地平に立っています。これから先、お金がさらにどのような姿へと進化していくのか。悠久の歴史の続きに思いを馳せてみるのも、心躍る体験です。

補足事項

  • ※注1: 一方で、経済学の父アダム・スミスの『国富論』などで提唱された、物々交換の不便さを解消するために貨幣が生まれたとする「物々交換起源説」も、経済学の伝統的な考え方として長らく支持されています。

主な参考資料

  • デヴィッド・グレーバー著『負債論 貨幣と暴力の5000年』
  • ジョナサン・ウィリアムズ編『図説 お金の歴史全書』

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