アザラシ と アシカ の違い

アザラシか!?アシカか!?違いって何だろう?

アザラシ。かわいいですよね...。アシカ。アシカもかわいいですよね。あれ?そういえばアザラシとアシカってどう違うんだろう?そうです。今回はアザラシとアシカの違いについて、徹底的に比較してみます!!!

まずは、アザラシやアシカと言ってもたくさん種類がおります。アザラシは現在地球上に18種類、アシカは16種類存在していると言われています。
どちらも鰭脚類(ききゃくるい)と言って水中での生活に有利なように脚がヒレのように進化した同じ種類の哺乳類(=親が子に乳を与え育てる生物の総称)の動物です。鰭脚類(ききゃくるい)アザラシ科に分類されるのがアザラシ。鰭脚類(ききゃくるい)アシカ科に分類されるのがアシカです。ではアザラシとアシカはどう違うのでしょう!?

見た目の違い

アシカとアザラシの特徴的な違いは、「耳介(耳たぶ)」があるかどうかです。アシカは耳の近くに突起物がありますが、アザラシは穴が空いているだけです。またアシカは陸上でも動きやすいようにあし(ヒレ)が大きく体を支えることができますが、アザラシは陸上よりも水中で動きやすいように、体全体が丸っこくてヒレも小さく、水の抵抗が少ないような工夫があります。

カリフォルニアアシカ

ゴマフアザラシ

授乳期間は?

アシカ(カリフォルニアアシカ)は、授乳期間は10ヶ月ほどです。

一方、アザラシ(ゴマフアザラシ)は
授乳期間は3週間から4週間と短く、すぐに離乳してしまいます。繁殖期では、親アザラシは子アザラシが離乳したらすぐに交尾するようになります。

ちなみに、ゴマフアザラシは写真のように白い毛で覆われる期間は1週間から2週間ほどと短く、毛が抜け落ちてすぐに大人のつぶつぶ模様のグレーの体になります。ゴマフアザラシは氷の上で生まれるため、白い毛で覆われるのは天敵に見つかりにくくするための保護色の役割もあります。

授乳するゴマフアザラシ(神戸市立須磨海浜水族園 撮影:トキトマデザイン)

歩き方

歩き方も違いがあります。アシカは陸上の活動もできるような体のつくりをしていてわりと自由に動けますが、アザラシは水中で泳ぐことを得意とする進化の道を選んだようです。ちなみにアシカの後ろ足(ヒレ)は前にも曲がりますが、アザラシは後ろに伸びたままです。


アシカは、4本の足で体を支えて歩きます。

 

 
アザラシは、芋虫のようにはって移動します。

アシカは体をくっつけたがり。アザラシは・・・?

アシカは仲間に体をくっつけてすごすことがよくあります。動物園や水族館でも何匹かのアシカが固まっているところをよく見かけます。しかしアザラシはどれだけ人口密度...いやアザラシ密度が高い場所でも隙間を空けるそうです。そう言われると私も動物園や水族館には何度も行っていますが、アザラシが体をくっつけているところは記憶にありません。

体をくっつけるアシカ(名古屋市東山動植物園 撮影:トキトマデザイン)

アシカとアザラシは生活スタイルが違う

世界には鰭脚類(ききゃくるい)が約5000万頭いますが、その中でアザラシは90%を占めると言われています。(残りはアシカとセイウチ)

アシカは陸上での生活にもある程度対応していますが、アザラシは主に水中での生活に特化した進化を遂げました。それは潜水能力にも現れています。アシカは水中を150メートルから200メートル程度を潜水できるとされていますが、キタゾウアザラシでは1580メートル潜水したという記録が残っています。

アシカもアザラシも水族館では同じ水槽で泳いでいることもありますが、違いはこれだけあるのですね。
文 / イラスト / 写真 トキトマデザイン

(参考文献: 荒井一利(2010)『海獣図鑑』 株式会社文渓堂.)

【おまけ】
カニクイアザラシの主食は、「カニ」ではなく「オキアミ」。そもそもカニは食べない。


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