初めてゲイバーに行った時の話

なんとなく誰かに話を聞いてほしい。
とにかく何も難しいことを考えずに楽しくおしゃべりがしたい。
そんな気持ちになったことありませんか?
友達や家族と話せばそれで済むのかもしれませんが、そのときわたしは
無性に自分のことを知らない誰かと話がしてみたかったのです。

そんなときふと、
「ゲイバーのママは話し上手で聞き上手だよ」
という友人の言葉を思い出しました。

「そうだ。ゲイバーに行ってみよう」
思い立ったら即行動、まずわたしはゲイバーについて調べ始めました。

初心者は観光バーに行くべし

ゲイバーと行ったら真っ先に思い浮かぶ地は東京都新宿二丁目。
もちろん行ったことはなく、とてつもなく敷居が高い気がして調べる段階から尻込みしそうになりました。
まず注意しなければならないのは、ゲイバーにはたくさん種類があるということ。
ゲイオンリーのバーから男女OKのバー、ノンケ(異性愛者)歓迎のバーなど店によって特色はさまざまです。
一見さんお断りの店も中にはあるそうなので、必ずホームページやSNSなどで情報を確認しておきましょう。
ゲイバーの中でも初心者向けなのは観光バーです。観光バーは誰でも入店OKのところがほとんどで、
初めてゲイバーに訪れる人向けにつくられています。
メディアで取り上げられるような二丁目の雰囲気を味わいたいならば、まずは観光バーを選択しましょう。

どなたでも大歓迎!のバーを予約

とはいえ、女性1人で行くのはやはり勇気がいるもの。
ぼったくられるのではないか、怖い思いをするのではと不安が募ります。
そこで、「どなたでも大歓迎」「メディアに取り上げられたことがある」「料金会計が明瞭」をキーワードに
検索し、オネエのママが経営する某有名ゲイバーにたどり着きました。
予約OKだったので、緊張しながらも早速電話します。
「○日に予約をお願いしたいのですが、女性1人でも大丈夫でしょうか?」
「あら一人なの?大歓迎よ、いらっしゃ~い!」

めちゃくちゃいい人でした。
この電話で安心したわたしは、ついにゲイバーデビューを果たします。

さすが接客のプロ!心地よいテンポで弾む会話

雑居ビルの多い新宿二丁目、目当ての店までたどり着くのに結構迷ってしまいました。
本当にここであっているのだろうか、という不安を抱きながら扉に手をかけます。

「あら~いらっしゃ~い!」

電話のときの人だ!少し安堵したわたしは名前を告げ、席に案内されました。
店内はカウンターのみで夕方の早い時間だったにも関わらず満席。
その日は男性8割、女性2割という比率でした。
お通しに駄菓子を渡され、システムの説明を受けます。
セット料金(席料みたいなもの)が3,000円、あとは頼んだ飲み物やおつまみの金額を
最後にまとめて払うそうです。
ほとんどのゲイバーにセット料金があるそうで、大体2,000~3,000円くらいなんだとか。
ドリンクメニューも500~1,000円くらいのものばかりで、居酒屋とほとんど変わりません。
明瞭な会計システムにひとまず安心しました。

店員さんはこの日は3名。オネエで女装をしている看板ママは今日の出勤が遅いとのことで不在。
40代くらいの坊主の男性とスナックのママのような女性、若いボーイ風の男性がカウンター越しに
接客してくれます。

坊主の店員さんが「あらアンタ女性一人でくるなんてどうしたのよ?ゲイバーは初めて?なに飲む?
わたしなんてもうビールガブガブ飲んでお腹たぷたぷよ~」
とマシンガントークを繰り出します。
するとすかさず女性の店員さんが「もう一気に質問したらお客さんびっくりするでしょ」とわたしをフォロー。
終始この2人がツッコミとボケ、フォロー役を交替して会話をリードしてくれます。
ここで驚くのが店員さんの話術。矢継に質問されると本来疲れてしまいそうなものなのに、不思議とそうならず
しかも答えやすい。ほどよくボケを入れたりこちらの話を聞く時間をとってくれたりトークに緩急があるのです。
そしてなにより話が面白い。オカマあるあるや失敗談なんかを面白おかしく話してくれて、入店して30分経つころには
すっかりわたしの緊張もほぐれたのでした。

お客さん同士の会話も楽しめる素敵なバー

入店して1時間が過ぎ、わたしにも余裕がでてきた頃に店員さんが他のお客さんを交えて
トークをし始めました。
この日のお客さんは会社の同僚グループで来た男女、地方から初めて来たという男性、興味本位で来店した男性グループ。
聞くと全員がノンケらしく、店員さんが寂しいわとぼやいていました。
お客さんも気さくで話しやすい人が多く、店員さんがうまくみんなの橋渡し役をかってくれるので
トークがスムーズに進みます。
聞くとこの日はたまたまワイワイ好きなお客さんが集まっているとのこと。お客さんの中にはしっぽり飲みたいという人も
いるので、客層に合わせて接客は変えているそう。
店員さんのトーク力や配慮にただただ感心するばかりです。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、お会計。もちろんぼったくれることもなく、最後まで心から楽しめました。

「とにかく笑って話して楽しい時間を過ごす」
当初の目的を十二分に果たすすごい体験ができたな、というのが正直な感想です。
新宿二丁目のゲイバーは初心者なら観光バーがおすすめ!
話し上手で聞き上手なママたちがプロの接客をしてくれるゲイバーに、
非日常を味わいに来てみてはいかがでしょうか?

 

この記事を書いた人

kumanaka

楽しく生きてます。隙間時間を有効に活用し、編集・ライター業をしています。 ハリネズミラブ。

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