描かないことで描く。イギリスの偉大な画家、ウィリアム・ターナー
今回はイギリスの画家、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(Joseph Mallord William Turner)についてのお話です。一見、未完成のように見えるぼんやりとした絵。でもそれが観る者の想像力を掻き立てる。そんな不思議な魅力に包まれた絵を描いた画家がターナーです。
ターナーは、生前にほとんど評価されなかったゴッホやアンリ・ルソーと違い、若くして画家として高い評価と名声を得ております。そればかりかターナーはイギリスを代表する国立美術学校「ロイヤル・アカデミー」の副学長にまで就任しています。
現在でもターナーの名を冠した「ターナー賞」という現代美術でも最高の栄誉の一つとされている賞が存在します。現代美術と言えば絵画にとどまらず、空間や立体物、最新の技術やありとあらゆる表現を含めた幅広いジャンルの美術です。なぜ100年以上も前の画家であるターナーが現代美術の賞の名前となっているのでしょうか。
それは、他でもないターナー自身が時代を超えた最先端の芸術家だったからです。
平和 - 水葬(ターナー)