そんな感嘆の声が聞こえることがあります。写真かと思ったら実は絵で描いていました!というような映像をみたときです。
そんな声を聞くと、それは最初から写真ではダメなの?と思ってしまいます。
今回はそんな素朴な疑問について考えました。
写真がなかった時代には、写真以外の方法で現実を正確に描写する必要があり、それが絵画の重要な役割の一つでした。現代では自撮りをパチリとスマホで撮ることができますが、当時はそういうわけにはいきません。多くの画家は肖像画を描くことで、収入を得ていました。
ですが写真が発明されてからは、写真と同じものをわざわざ時間をかけて作る必要がなくなってしまいました。事実、写真が発明された当時、一部の画家は写真家に転向したほどです。
写真みたいな絵は必要なのでしょうか。
誤解を恐れずに言えば「写真みたい」な絵は効率が悪いだけです。写真に近づくことが目的なら、写真があれば十分だからです。
では絵画には何が必要でしょうか。それは「写真よりも現実に迫ったリアルな絵」もありますし、「現実の風景とは思えない不思議な絵」もあります。何が描いてあるかわからない抽象的な絵もあるでしょう。
絵画には絵画の魅力があります。写真とは違うことこそが絵画の魅力でもあるのです。